アジアに発信する歴史海道都市 対馬 !(おっ)な島です。対馬
対馬市は、九州の最北端にある島で、福岡までは海路138km、釜山まではわずか49.5kmの距離にある自然豊かな島です。山林が面積の89%を占める対馬は、古来より大陸と日本の架け橋として文化の中継地であり、時には国防の最前線として重要な役割を担ってきた国境の島でもあります。
対馬市は、全水産業が盛んです。一本釣りで水揚げされる魚の王様「クエ」や玄界灘の栄養豊富な漁場で育った活アワビが特に有名です。その他にも、ブリ、アジ、サバ、イカ、タイ、アナゴなど多種多様な魚が水揚げされており、アナゴの水揚げ量は日本一を誇ります。浅茅湾を中心にマグロや真珠、ヒオウギガイの養殖業も盛んに行われています。
林業も対馬市の主要産業の一つで、木材生産だけでなく良質な原木しいたけの生産地としても知られています。対馬のひのき材(対州桧)は材質が硬く、淡いピンク色の心材と高い香りが特徴です。しいたけの生産量は長崎県内の99%を占め、肉厚の「どんこ」は全国しいたけ品評会で高い評価を受けています。
農業においても、対馬の農地は陸地の1.3%と少ないながらも、米づくりと対州そばの栽培が盛んです。近年では上県町佐護地区では減農薬や有機農法による米づくりが行われ、佐護ツシマヤマネコ米としてブランド化されています。
対馬は、その地理的条件から古代より大陸からの石器文化、青銅器文化、稲作、仏教、漢字などを伝える日本の窓口として重要な役割を果たしてきました。また、朝鮮半島との貿易や交流も盛んで、その結果、多くの書物、仏像、建造物、朝鮮式山城の金田城跡や古墳などが残っています。現在でも対馬と韓国の釜山は定期航路で結ばれ、文化、経済、教育の交流が活発に行われています。