和紙とうだつのまち
美濃市は、日本の中心部、岐阜県の中心部にある市です。江戸時代に築かれた伝統的な建造物が多く残り、美濃和紙の産地としても知られています。市の玄関口である美濃インター周辺は、区画整理事業や大型店舗の進出により変貌を遂げつつあります。
長良川や緑豊かな山々に囲まれた美濃市には、1300年の伝統を誇る「美濃和紙」や、江戸時代の風情を色濃く残す「うだつの上がる町並み(国重要伝統的建造物群保存地区)」があります。「うだつ」とは、屋根の両端に作られた防火壁のことを指し、江戸時代には火事の際に類焼を防ぐために設けられました。
約1300年の歴史を持つ美濃和紙は、コウゾを原料とした和紙で、清流に恵まれた美濃市で紙づくりが発展しました。江戸時代には、高級障子紙として「美濃判」として評価され、幕府御用の紙としても知られています。この美濃和紙は丈夫さが特徴で、全国に流通し、美濃市の発展を支えました。
美濃和紙の中でも特に白く美しく、柔らかく強いとされるのが本美濃紙です。陽に透かすと繊維が整然と美しく絡み合っているのがよくわかります。本美濃紙は美濃和紙全製品のうちの1割ほどで、製造には、長良川の支流・板取川の質の良い豊かな水、最高級の茨城県産大子那須楮、木曽ヒノキと硬い真鍮の漉き桁、竹のひごをそぎつけした漉き簀などが使われます。