刻(とき)を忘れさせる島
鹿児島県十島村は12の島々から成り立つ町。十島村は、有人島が7つ、無人島が5つの計12の島々から構成されます。有人島で最も大きいのは中之島(なかのしま)であり、最も小さいのは小宝島(こだからじま)です。中之島には、標高979メートルの御岳(おたけ)がそびえ立ち、これが最も高い山です。
十島村では、悪石島の仮面神ボゼのような独特な民俗行事があります。また、中之島のトカラウマや口之島の野生牛など、地域特有の動植物が存在します。
十島村には、地元の自然の恵みを活かした多くの特産品もあります。
天然塩は海水を濃縮して作られ、天日干しや蒸気で炊かれる方法により、ほのかな苦味と甘みが特徴的です。これらの塩を使った製品には、ハーブソルトやにがり、さらには石けんなどがあります。また、万能つゆは地元のしいたけを含む自然の恵みをふんだんに使い、地元の人々が丹精込めて作ることで、その味わいは多くの料理に喜ばれています。
サンセベリアは、十島村の霜が降りない温暖な気候で栽培され、マイナスイオンを放出するとされることから、観賞用だけでなく癒しの効果も期待されています。
そして、トカラびわはその早い収穫時期と甘さで知られ、市場で高く評価されています。
十島村のこれらの特色ある特産品や文化は、島々の環境がもたらす独特の価値を象徴しており、地元の人々の生活や経済にとって欠かせない要素となっています。
各島への交通手段については、村営定期船「フェリーとしま2」が週2便(7~9月は3便)運航しており、各島と鹿児島、奄美を結ぶ唯一の海上交通手段です。島間の移動には、不定期(チャーター)で高速船が運航されます。乗船券は鹿児島本港区南埠頭ターミナルまたは名瀬新港(代理店:里見海運)で購入することができます。島内では出張所で購入することになりますが、各島によって販売時間が異なるため、島内放送などで販売時間を確認する必要があります。